この時期特有の交通事故
「魔の7歳」
「魔の7歳」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
交通死亡事故で突出して多いのが7歳児の事故です。
図のデータは歩行者の交通事故を年齢別に分析したものです。全年齢の中で,7歳の死傷者数が突出しているのがわかります。
事故の多くは道路横断中に発生
7歳児の交通事故で特に大きな割合を占めているのは以下のものです。
- 登下校中:交差点において,横断歩道を歩行中の事故
- 登下校以外:単路において,横断歩道以外を横断しての事故
保護者から離れ単独で通学するようになることや,行動範囲がそれまでより大きく広がることなどが要因として挙げられます。子ども自身が道路に慣れてきた意識をもつ頃でもあり,その中で遊びなどに注意を奪われて道路上であることを失念してしまうことも考えられます。
持ち物の色に工夫を
近年は出勤時に見かける小学生の帽子や傘が様々な色になりました。
一昔前は,通学用の帽子や傘は黄色でした。黄色のものを身につけた小学生は,運転手の目に入りやすくなります。
特に雨の日などは運転席からの視界は悪く,自然色の物はコントラストが低く薄暗くなるため,見落としやすくなります。
登校時は蛍光色や反射材のついた帽子・傘などを身につけ,車に見落とされない工夫が必要です。
千葉の交通事情
千葉県は人口も自動車も多いわりに,道路が狭くメインとなる大きな道路の数も少ないため,通勤時間帯は渋滞が多く発生しています。渋滞回避のため,抜け道を急ぐ車もいます。また、多くの住宅街の道路には歩道がありません。小学生と抜け道を使う車とのすれ違いにおいて,走行速度のわりに異常接近している場面もよく見かけます。
本来は運転者に対ししっかりとした教育が必要ですが,現状はまず歩行者側が身を守るために意識することを考えなければなりません。
家庭でできること,地域でできること,行政ができること。それぞれができる範囲で,悲惨な事故から遠ざかることを考えていきましょう。
家庭での交通安全教育のご提案
交通心理学会は3つの部会があり教習所部会・企業部会・家庭部会に分かれています。家庭部会では,ご家庭の交通安全教育を推進する運動をしています。
交通教育は,小さい頃から各家庭ごとにしっかり行う必要があります。大人から子どもへ一方的に与えるものではなく,子どもの立場になって一緒に考えることが重要です。
交通心理学会が提案する教育は、保護者の視点で教育をするのではなく、実際の子供の目線での車の見え方の確認や安全確認方法や、道路を渡る時の注意点を確認するなど、一緒になって取り組む内容のものです。
家庭での交通安全に取り組む意識が,今後,お子さまの交通社会への行動につながります。この機会に,ご家庭でできる交通安全教育を考えてみるのはいかがでしょうか。
交通心理学会が無料で紹介している「家庭で実践!交通安全教育 」の資料をぜひ参考にしてみてください。
「家庭で実践!交通安全教育 」(交通心理学会ホームページより)
※ 資料の主な対象:6〜7歳のお子さまがいらっしゃるご家庭
春の交通安全運動
入学式や入社式など,新しい始まりの季節を迎え,生活がガラッと変わった人も多いでしょう。冬の寒さも和らぎ,人の動きも活発になってきました。車内も温度調整が難しくなってくるこの時期は,交通事故も増えてきます。
この時期に合わせて「春の交通安全運動」が行われます。
5月11日(木)~5月20日(土)
(交通死亡事故「0」を目指す日:5月20日)
スローガン:なれた街 いつもの道でも みぎひだり
期間中は警察官が多く巡回し,取り締まりも多く行われます。
交通安全運動はなぜ行われているのでしょうか。
警察官を「見える化」することで,違反を減らします。違反が減ると,交通事故も減少させられます。
この時期,国として全国一斉に交通事故の防止の対策を行い,ドライバーへの意識付けをします。
本当は警察官がいてもいなくても,当たり前に安全な行動ができれば1番ですね。
ゴールデンウイーク明けの子どもたちは,通学路にも慣れてきた頃です。
子どもたちに限らず,新社会人の方,運転を初めて間もない方が多い季節です。
ご自宅周りをはじめとするいつもの道に潜む危険を,改めて確認・認識してみましょう。